院長ブログ

2017年9月 5日 天野篤先生の講演

こんにちは。名古屋市にあります眼科、田辺眼科クリニックの田辺です。

9月3日、スタッフ3名とともにセミナーに参加しました。

ゲスト講師は、順天堂大学医学部付属順天堂医院院長 天野篤先生でした。

天野先生は、心臓外科医で、2012年天皇陛下の心臓手術を執刀したことでも有名です。
本も出版されています。

スタッフとともに楽しみにしていました。

天野篤先生と.JPG

講演は非常に勉強になりました。

印象に残っているのは、
・頼まれたことは、引き受ける、だから文章も書くし、講演も行う
・外来でも手術でも待たせないことを大切にしている
 目の前の患者さんを守り、治し、満足していただく医療を目指す
・大原則はすぐにありのままを患者さんに話す、うそをつく人はダメ

後進の育成にも力を注いでいる天野先生、
後進を育成していくうえでは、
適性の確認、知識と経験の提供、彼らとの競争、好機の創出
を行っていく。

そして、
自分の力だけで医者になれたと思ってはいけない。両親、学校、大学の先生、そして国のサポート。色々な人々の支援があって医師免許を獲得したと自覚してほしい。
だから、一生をかけて社会に少しずつ恩返ししていくのが医者の仕事だと思ってほしい。

天野先生のお話は、同じ医療に携わるものとして、非常に響くものがありました。

このセミナーは普段からお世話になっている方が主催するセミナーでしたが、このようなセミナーに参加させていただき、貴重な時間を過ごすことができました。

以下、天野先生が感銘をうけたと公演中紹介してくださった言葉をご紹介します。
前金沢大学医学部付属病院院長 河崎一夫先生の
『医学生へ 「医学を選んだ君に問う」』
という朝日新聞の私の視点に載った記事です。

私自身もこの記事を読み、身が引き締まる思いでした。

ご興味のある方はお読みください。

(記事内容)
 医師を目指す君にまず問う。高校時代にどの教科が好きだったか?物理学に魅せられたかもしれない。しかし医学が大好きだったことはあり得ない。日本国中で医学を教える高校はないからだ。
 高校時代に物理学または英語が大好きだったら、なぜ理学部物理学科や文学部英文学科に進学しなかったのか?物理学に魅せられたのなら、物理学科での授業は面白いに違いない。
 君自身が医学を好むか嫌いかを度外視して、医学を専攻した事実を受容せねばならない。結論を急ぐ。授業が面白くないと言って、授業をサボることは許されない。医学が君にとって面白いか否か全く分からないのに、別の理由(動機)で医学を選んだのは君自身の責任である。
 次に君に問う。人前で堂々と医学を選んだ理由を言えるか?万一「将来、経済的に社会的に恵まれそう」以外の本音の理由が想起できないなら、君はダンテの「神曲」を読破せねばならない。それが出来ないなら早々に転学すべきである。
 さらに問う。奉仕と犠牲の精神はあるか?医師の仕事はテレビドラマのような格好のいいものではない。重症患者のために連夜の泊まりこみ、急患のため休日の予定の突然お取り消しなど日常茶飯事だ。死にいたる病に泣く患者の心に君は添えるか?
 君に強く求める。医師の知識不足は許されない。知識不足のまま医師になると、罪のない患者を死なす。知らない病名の診断は不可能だ。知らない治療を出来るはずがない。そして自責の念がないままに「あらゆる手を尽くしましたが、残念でした」と言って恥じない。
 こんな医師になりたくないなら、「よく学び、よく遊び」は許されない。医学生は「よく学び、よく学び」しかないと覚悟せねばならない。
 医師国家試験の不合格者はどの医学校にもいる。全員が合格してもおかしくない医師国家試験に1,2割が落ちるのは、医師という職業の重い責任の認識の欠落による。君自身や君の最愛の人が重病に陥った時に、勉強不足の医師にその命を任せられるか?医師には知らざるは許されない。医師になることは、身震いするほど怖いことだ。
 最後に君に願う。医師の歓びは二つある。その1は自分の医療によって健康を回復した患者の歓びがすなわち医師の歓びである。その2は世のため人のために役立つ医学的発見の歓びである。
 今後君が懸命に心技の修養に努め、仏のごとき慈悲心と神のごとき技を兼備する立派な医師に成長したとしよう。君の神業の恩恵を受けうる患者は何人に達するか?1人の診療に10分の時間を掛けるとしよう。1日10時間、1年300日、一生50年間働くとすれば延べ90万人の患者を診られる。多いと思うかもしれない。だが日本の人口の1%未満、世界の人口の中では無視し得るほど少ない。
 インスリン発見前には糖尿病昏睡の患者を前にして医師たちは為すすべがなかった。しかしバンチングとベストがインスリンを発見して以来、インスリンは彼らが見たこともない世界中の何億人もの糖尿病患者を救い,今後も救い続ける。
 その1の歓びは医師として当然の心構えである。これのみで満足せず、その2の歓びもぜひ体験したいという強い意志を培って欲しい。心の真の平安をもたらすのは、富でも名声でも地位でもなく、人のため世のために役立つ何事かを成し遂げたと思える時なのだ。

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